月別アーカイブ: 2015年7月

旅の反省文(ラスト)

旅は楽しいこともあるけれど、旅に出たからといって、手に入れられることばかりじゃない。

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楽しむことと引き換えに安定を失い、
タフさと引き換えに、足は太くなり、
自由と引き換えに孤独を引き受け、
生き延びるのと引き換えに、現実を失う。

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ラテンこぼれ話(酒)

酒にまつわるいろいろ。

飲みすぎたせいで、

キューバではナンパし(ナンパされ)、

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ニカラグアでは舟に乗り遅れそうになり(目指すはオメテペ島)、

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ボリビアでは喧嘩し(二日酔いで到着した宿で)、

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チリでは超生臭いスープをすするはめになり(海とのセックスと名付けたよ)、

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旅の反省文(その12)

旅人の資格その12.帰ること

ピーターパンって、どういう風に終わるか、知ってますか?

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考えてみると、よく知らない。覚えているのはピーターがフック船長をやっつけて、ウェンディたちを奪回するところまで。

えーと、その後、ピーターはネバーランドに残るんだっけ?残るよね、さすがに。
(ってか、なんで帰らないんだろう?)
で、ウェンディたちは帰るんだよね?たしか。さすがに帰るよね。
(でもどうして、帰るんだろう?)

いや、まさか、「ウェンディはピーターと結婚を誓って、ネバーランドに残り、ふたりは仲間たちに囲まれて幸せに暮らしました」
・・・なわけないよなあ。
気になる。

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旅の反省文(その11)

旅人の資格11.生きる

下山の日の出来事さえなければ、何の変哲もない1週間のトレッキングだった。

 

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下山の朝は雨だった。ゴンドワナ大陸の時代から変わらずにここの場所にあるという、太古の山・ロライマに、しんしんと太古の雨が降る。

山の上を覆う岩の道は、この世の果てのような黒檀色をしていて、たくさんの凸凹があった。深く裂けた凹の淵は雨を溜めて、雨の弱まったひとときに透明な空を映し出す。覗き込むと私の目がふたつ、こちらをじっと覗いていた。深淵は、女性器の形をしている、と私は気づく。

降り続く雨のために、ちいさな沢は滝となり、轟音をあげて流れ落ちていた。滝の中に留まる岩を見つけてしっかとつかまえる。心臓発作でも起こしそうな冷水の中を、そろそろと重心をうつしながら降りる。気を抜かずに、丁寧に。
いくつかのキャンプを越えて、増水した川を即席のカヌーで渡ると、いつの間にか雨が上がっている。
雨上がりの日射しに焼かれながら最後の丘を越えたところにベースキャンプがあった。初日にテントを張ったのとおなじ場所だ。ここで荷をおろし、川に飛び込んで5日ぶりのシャンプー。明日には、町へ帰る。

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旅の反省文(その10)

旅人の資格10.孤独

「あんまりだれかを崇拝したらほんとの自由はえられない」っていうけれど、自由の崇拝は孤独への依存だと、私は思うんだ。スナフキン。

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自由っていうのは、匿名性への脱出のことだ。
「だれもしらない町へきた」「私のことを、みんなしらない」

Into the Wildで、主人公のアレックスは旅の初めに名前を捨てる。 自由を求め、孤独を求め、誰も知らない町から町へ、アメリカを北上してアラスカに行き着く。

世界を訪ねて2年間。電話もなし、プールもなし。ペットもなし、たばこもなし。僕は自由だ、究極に自由だ」
「僕は過激派、耽美主義の冒険者。故郷は旅の内にのみ」

“Two years he walks the earth, no phone, no pool, no pets, no cigarettes. Ultimate freedom. An extremist. An aesthetic voyager whose home is the road”

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ラテンこぼれ話(カーニバル)

ロドリゴが言ってた。
「カーニバルのことは、カーニバル限りのひみつ。っていうことわざがあってだな(We say ‘what happened in carnival stays in carnival’, haha)」
「へえ、さすがブラジル人」
「なんでもありなんだよ、俺らのカーニバルってのは」
うそかまことか。

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