午後の重たい空気が皮膚を燻し、その中にあるものは行き場を失っている。午後という時間はどうしてこうも追い詰めるのだろう。感覚は鉛のように鈍く沈み、思考は行き止まり、内臓もあちこち八方ふさがりである。
皮膚を取り消そうと水の中にそっと差し入れる。内と外の境は消え、身体の中に風が通って楽になる。構成要素はすべて同じなのである。

海の効用。プールも風呂も、海の模倣としての。

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